オイルショックが引き起こした消費者の買いだめパニック
ある日突然、スーパーの店頭からトイレットペーパーが消えた。これに端を発し、砂糖、しょうゆ、洗剤なども相次いで姿を消す。昭和48年秋の「オイルショック」は、日本全土に危機的なモノ不足を引き起こした。
同年10月、第4次中東戦争の勃発によって、産油国が原油価格引き上げや禁輸措置を発表。世界は石油危機の恐怖に陥った。なかでも原油に関して輸入頼みの日本では、たちまち産業界に重大な影響が及んだ。
原料不足や資材の高騰、操業時間の規制などにより物価は急騰し、インフレが発生する。しかし、実質的な石油危機以上に深刻だったのは、消費者のパニック心理であった。
実際、ひどい便乗値上げも各地で増えており、「いま買っておかなければ、買えなくなる。モノがなくなる」という風説が口コミで広がっていた。不安はさらに不安を呼ぶ。どこのスーパーでも、開店と同時に買い物客が殺到。トイレットペーパーの棚は、あっという間に空っぽになっていた。続いて、砂糖、しょうゆ、洗剤など生活必需品すべてに買いだめが及ぶ。このため、商店では仕入れが追いつかず、「お1人様1個限り」などと規制を始めた。だが、この規制が消費者の不安をさらにあおる…。いつの間にか、際限のない買いだめのイタチごっこが全国で起こっていた。
|